『漱石と戦争・植民地──満州、朝鮮、沖縄、そして芸娼妓』
2018年12月刊行
目次
まえがき
第一章 漱石と戦争──戦争観の変化
第二章 漱石と旅順、漱石と京城(漢城)──「満韓ところどころ」と「日記」のあいだ
第三章 漱石と朝鮮(1)――「王妃の殺害」
第四章 漱石と朝鮮(2)――「朝鮮の王様」、
「朝鮮の統監府にいる友人」(「それから」)、
他者の視線、宗助(「門」)のうめき、
「小林」と「吉川夫人」(「明暗」)
第五章 漱石と沖縄――見えない琉球
第六章 漱石の感覚――「他者」の嗅ぎ分け
第七章 漱石の変化──夏目漱石は幸徳秋水をどう見ていたのか
第八章 漱石と娼妓、漱石と芸者
補論 近代公娼制成立をめぐる考察
補論1 大久保利通と「公娼」
補論2 日本の近代公娼制成立と大英帝国駐日公使パークス
あとがき
索引
『漱石の個人主義──自我、女、朝鮮』
2017年6月刊行
目次
まえがき
第一部 私の個人主義──私は私自身を代表している
第一章 「文鳥」「夢十夜」「心」から探る“意中の人”──「それから」の前夜
第二章 楠緒・保治・金之助──テキスト外のこと
第三章 愛せない男──市蔵(「彼岸過迄」)の燃えない愛と燃え上がる「嫉妬心」
第四章 「行人」──猜疑の拡散と、震源地・愛嬌のない女
付 「行人」の二郎と三沢
第五章 「現代の青年に告ぐ」から「先生の遺書」へ──「野分」と「心」の間
付 「心」と親鸞
第六章 「道草」等に見る、子どもに対する精神的虐待((メンタル・アビュース)の諸形態
付 漱石と禅、女
第二部 漱石とその時代 ──性別・階層・国の壁
第七章 「三四郎」の“絵を描く女”と野上弥生子の「明暗」
第八章 「幸徳秋水」(「それから」)・満韓遊歴(「韓満所感」「満韓ところ\/」)・安重根
──漱石が1909年から1911年にかけて経験したこと
第九章 進化する「細君」──「野分」「門」「道草」から「明暗」へ
第十章 持たざる者と持てる者──「明暗」の人々
「あとがき」にかえて ── 小説に遺された“美しい女”たち